きっぷに関する話
旅行というものは何かしらの移動手段を用いてどこかへ行く行為だと思っている。もちろん、移動は目的のための手段であり、主目的は移動した先にあるモノで だと思っている。
意味もなく堅い(というよりは意味不明な)ことを書いたが、実は今回の旅、出発前からやっかいなことになってしまった。
今回の目的地である辰野に行くためには、中央本線か長野新幹線を使うのが便利である(ここで往復ともバスなんて言ってはいけない)。当然、どちらかを利用 するつもりでいた。 そして前回同様「周遊きっぷ」で行こうと考えていた。非常に安価で、かつエリア内(これをゾーンという)は乗り放題だからである。
松本~辰野間は片道で570円、長野~松本間は特急を利用すると2,260円である。「周遊きっぷ 白馬・諏訪ゾーン」のゾーン券は3,320円で、その上ゾーン券の出入り口駅までの乗車券が2割引になるというものであった。つまり、すぐに元が取れてし まうのである。
ところが、今回その「白馬・諏訪ゾーン」の周遊きっぷが買えなくなってしまったのである。調べてみたところ2004年11月でおしまいになったそうだ。
これは困った。今回のプランは周遊きっぷ使用を前提に考えていたのですべて崩れてしまった。
さて、当初の移動プランは
1日目:東京都区内~長野~松本~辰野~松本
2日目:松本~ゾーン内を適当に~新宿
なんて感じで考えていた。ゾーン内は適当に移動する予定だったので、周遊きっぷが買えないことがかなり響いてしまう。
買えないモノにすがるわけにも行かないので、2日目はバスで戻ることとし、1日目はきっぷの購入の仕方で対処することにした。結局買ったきっぷは
1.都区内~辰野の乗車券 (経由:新幹線、長野、信越、篠ノ井線、中央2)
2.大宮~長野の新幹線特急券 (自由席)
の2枚。長野経由にしたのは途中、姨捨に寄ってみたかったからである。
6月17日
乗車券を当日、新宿で購入し、湘南新宿ラインで大宮へ。偶然にもクロスシートの車両であった。 コーヒーを1杯買って、あさま511号長野行きを待つ。新宿で指定席の状況を見たときは「×」のマークがあり満席を示していたが、平日でかつこの時間で (指定席以外も)満席などということはありえない。 混んでいてもだいたいは高崎で降りてしまうと考えていたので、自由席しか買っていない。ということで自由席乗車口に並ぶ。
10:54、定刻通りあさま511号長野行きが大宮を発車。指定席は満席のようだが、自由席は窓側以外は空いていた。
長野新幹線に初めて乗ったのは8年前、1997年であった。97年は、長野新幹線開業の年である。偶然にもその年のNHKロボットコンテスト(高専ロボコ ン)の関東甲信越地区大会が長野開催だったのである。開催日時はたしか10月10日、開業10日後であったと記憶している。
そんなことを考えつつ時間は過ぎ、列車は長野に到着した。
ちょうど昼なので食事をしたい。適当に歩いた結果、駅前のそば屋でそばを食べることにした。ミニ天丼が付いたざるそばで1,000円しなかったと思う。な かなかおいしかった。
日本三大車窓の一つである姨捨は無人駅である。しかもスイッチバック駅でもある。長野周辺だと二本木もスイッチバックだったと記憶しているが、どちらも降 りたことがない。
二本木で降りる理由は無いが(そもそも方向が違う)、姨捨はやはり「日本三大車窓」といわれる場所なので降りてみたい。そのために本数が少ない(でも、1 時間おきならいいか)篠ノ井線各駅停車に乗るのである。
13:01、松本行き各駅停車に乗る。ぎりぎりの時間に乗ったのだが、一応座ることができた。姨捨まではおよそ20分。ぼーっとしているとついてしまう。 通勤時にのる電車(山手線 新宿~品川)もおよそ20分だが、それより短く感じるのはなぜだろう。
姨捨で何人か降りたかと思ったが、対向列車待ちで出ただけの人たちだけだった。実際に下車したのは自分一人。やはりというか、何というか。日本三大車窓で も、用事がなければ降りることもない。
駅の周りを歩いてみるが、たいしたものはない。棚田が有名らしいが、結局行き着けなかった orz
案内図も微妙なのだが、何より高低差がすごいのである。田んぼを棚田にしなくてはならないのだから当然といえば当然か。今度はもう少し考えて歩こう。長楽 寺あたりまで行って駅に戻る。
駅舎の中にこんなことが書いてある 「姨捨駅はテレビで全国放送された由緒ある駅でございます。多くの皆様がご利用される愛着のある駅でございますので駅環境美化にご協力をお願いいたしま す。」 由緒のない駅があるのかは疑問だが、こうでも書かないと駅が汚されてしまうというのは悲しい。
姨捨から松本はほとんど寝ていた。松本に着いたはいいが、まだ外は明るい。姨捨の高低差で汗をかいたので浅間温泉に行くことにする。日帰りの温泉があるの でとても便利だ。
空はまだ明るいが、電車が少ないので辰野へ行くことにする。辰野はちょうど1年ぶりだ。だが、ほとんど変わっていない気がする。いいのか悪いのかはわから ないが、変わっていない。
腹ごしらえをしてもまだ時間が早そうなので、商店街を歩いてみる。使いもしないのに暑中見舞いはがき(ホタルの絵入り)を買ってしまう。2、3枚でよかっ たのだが10枚セットだし・・・いったい誰に出せと。 あ、これ暗いところで光るのか。
近くの露店で日本酒が売っていた。これはほたるを見てから飲むことにしよう。
さて、本題のほたるである。ほたるがいるのは駅から少し離れた童謡公園というところである。この時期に行くと環境保護の目的で入場料として300円徴収さ れる。
金曜日の夜と言うこともあり、結構な人手だ。19時20分、まだほたるは見えないどころか、空が明るい。 19時40分、暗くなってきたが、ほたるはまだ見えない。19時50分ごろになって、少し出てきたようだ。ぽつぽつと緑色の光が見えてきた。しかし、月明 かりが予想以上に明るい。快晴なのはいいことだが、今日ばかりは雲に隠れていてほしい。
20時を過ぎた頃からだんだんほたるの数が増えてきた。何匹いるのかはわからないが、かなりの数になってきた。これだけの数がいると壮観ともいえる。こん な景色を見ると、いやなことなど考える余裕は無くなってしまう。
駅に戻って、さっき見た日本酒を飲む。「夜明け前」という地元のお酒だそうだ。豆付きでコップ1杯350円。なかなかおいしい。
飲み足りなかったので、松本で飲み直す。馬刺しなど食べて、ホテルに戻り寝る。
6月18日
行く当てもないので、松本市内をうろつくことに。松本市内は以前にも行ったのでもはや歩き回る気がしないわけだが、1回や2回ではわからないことも多いと 思うので、少し歩いてみる。
途中、はかり資料館なるところに寄る。いろいろなはかりがある。見てるのは自分一人。ほかに人が入ってくる気配もない。小さい資料館とはいえ、悲しいもの である。気づいたら駅に戻っていた。
外にいると非常に暑い。立っているだけで汗が出てくるし、することもないので東京に戻ることにする。
13時20分のバスを予約して、駅で昼食をとる。それでも時間があるので、お土産を買うことに。
行くのは駅の近くにあるお土産屋で、その名を松田屋という。別に普通のお土産屋だが、1年前立ち寄った時に、店員の女の子に顔を覚えられてしまったらし く、秋に(上高地に行ったとき)同じ店でお土産を買ったら
「前にも来たことありますよね」
と言われたわけで、今回はどんな反応をするか見てみたい。お土産を買うのが主目的だが、それ以外の理由もあると楽しい。
店に入ったとたん、見たことある店員が
「前にも来ましたよね。覚えちゃいましたー」
なんて言ってくる。まだ覚えていてくれたのですね。ありがとう。
そんなわけで、少しお土産を買って帰途につく。
13時20分、新宿行きのバスは松本を出発した。夕方にはもう、東京の人である。



















